絶望 〜青い果実の散花〜(スタジオメビウス) 
〜鬼畜凌辱系においての、これも一つの光・・・〜
(※画像引用:ねこねこソフト)

 

凡そは間違いないと思われるあらすじ
勝沼紳一という男・・・。
彼にあるのは、ひねくれた心。
止まることの無い欲求。
そして大富豪の御曹司という地位である。

「俺に不可能は無い・・・」

そんな紳一の悪性は日に日に度を増し、遂に爆発した・・・。

それが悪名高い「女子高生バスジャック事件」。
主犯である紳一は、旅行に出向く女生徒達のバスに襲いかかり監禁。
そして凌辱の限りを尽くした・・・。

しかしそんな彼にも遂に天罰が下る。
紳一は捕らえられ、間もなく彼は死刑宣告を受けた。
「まだ犯し足りない」という言葉を残す紳一などお構い無しに、死刑は無事執行。
一連の事件はとりあえず幕を下ろす・・・。

だが、この世に未練の残る紳一の執念。
その魂が現世に残ってしまった。
同じく死刑に処された彼の部下、古手川、木戸、直人の3人も同じくである。

そこで彼等はまたも悪巧みを思いつく。

「体が無いのなら借りればいい。人間に乗り移り、その体を借りて女を犯してやるぜ・・・!」


こうして、肉体を持たぬ異常者・紳一と、その部下達がここに復活。
4人の鬼畜による狂気の宴は静かに始まりを告げた・・・。








核心にまるで触れない批評
 
                      

「ふむ、『絶望』か・・・」




「非道の限りを尽くした悪党、その魂は死なず・・・。死して尚この世に災いをもたらす・・・」




「そして犯罪の種類も若い娘だけを狙う、無慈悲かつ狡猾極まりない趣向、か・・・」



「なるほど、これは名前の通り絶望するしかないな。 こんなものを目の当たりにしたら、一途な慕情を貫きたい人間など一刻を置かずして卒倒するだろう・・・」










「そう思わないか・・・?」




















「確かにこれは、人の道を外れているように思えます。ですがその道とは、大部分の民衆達で取り決められた決め事でしかありません。 本来人の可能性とは多岐で無限です。 そして自由であって良いはずです。」





「ああ、その通りだ・・・・・・」










「この紳一という人の生き方も、結局は誰しも抱いているはずの可能性の一つ。 民衆の意に沿わなかった一部分が強く突出したに過ぎません。 そしてそれは、彼にとって常識であり正義です。」



「確かに・・・・・・」










「ですから自らが信じるなら、胸を張って歩めばいい。自分はそれを理解しているのですから・・・。 そして、そこに衝突が生じたのなら心ゆくまで衝突すればいい。 何が起ころうと、本人が納得した時それは生きる証に変わるのですから・・・。 それを妨げることなど誰にも出来ないはずです」



「そうかもしれないな・・・・」














「きっと、そうですよ・・・・」





















「・・・・・・・・・・しかし、改めて思うんだが」




「はい・・・?」


















「お前も相変わらず屈折しているなぁ・・・・」













「えっ!!そ、そうでしょうか・・・?」












「本当にただの小娘なのか?」



「あ、当たり前じゃないですかっ!? 私は何の取り柄も無い、一介の村娘ですよっ・・・」









「それにしては洞察が鋭過ぎる。というか、穿ち過ぎだ。 女子が考えることではないぞ」



「で、でもっ・・・! やっぱり人それぞれが何か役目を持って生まれてきているはずですし、それは他の人間も感じていることですよ、きっと」










「そうだなぁ・・・。 でもこの救いの無い物語にまで擁護の手を差し伸べるとは、流石にお人好しにも程があるのではないか?」






「何をおっしゃいます! 頼人様も、もしかすると私だって、この紳一という人のように道を踏み外した展開が待っていたかもしれませんよ? それでもやっぱりその人にとっては生きた証なんです。光るために外せない目的だったんです!  頼人様も、もう少し賤しき身分の言質について思慮を巡らすべきです!」











「ほう・・・。ではこの勝沼紳一にとって、光る為に必要な手段とは何だったのだ?」



「女人を手篭めにし続けることです」










「この男の生きた証とは?」



「汚れない処女達の恐怖の対象となることです」










「・・・ならば、この『絶望』の存在理由とは?」



「その欲望を心に秘めた人々の内なる声です」















「・・・・自分で宣ってみて無理があるとは思わないか?」





「な、何を仰います!これは物を食すのと同じくらいに必然です!頼人様が気付かないだけですよ!?」











「なるほど・・・。だが、そこまでして生きた証とは必要なのだろうか?」



「たとえ悪名でも、忘れられるよりは遥かに幸せでしょう。そうはお思いになりませんか?」




「うーむ・・・・・・・・・・」









「紳一という人も例外ではありません。 彼はきっとこう言うはずです」





















「『たまにでも思い出してください。 生ける人間の肉体に霊魂を憑依させて女人の肉体を貪る、変わり者の男の子が居たと・・・』」















「・・・・・・・・」























「ねっ? 頼人様♪」






















「言うわけ無いだろっ・・・・!!」















「はうっ・・・・・!!」














「全く、そこまで飛躍すれば立派なものだ。俺など到底及ばない境地だよ・・・」







「も、申し訳ありません。 しょぼーん・・・」






「いや、まあ責めているわけではない。ただ感服していただけだ。」








「はい?」













「悪魔のような男にも救いを見出そうとする・・・。お前にしか出来ない芸当だ」




「そ、そんな、買いかぶりすぎです・・・」












「狭霧は結局のところ、心の優しい娘。ただそれだけなのだよ・・・・」





「頼人様・・・・」



















「そう言えば、お前はいつも他人の役に立ちたいと、心の底から願っていたんだったな・・・」




「はい、でも本当は誰かに褒めて欲しかっただけです。それもまた、皆同じだと思います・・・」












「・・・・分かった。ならば俺が存分に褒めてやる」




「頼人様・・・」











「そしてこの『絶望』にも理解を示そう。褒められた内容ではないが、お前がそう言うのなら、少しだけ耳を傾けようではないか」




「あ、ありがとうございます・・・♪」






















「確かに人の可能性は無限かもしれないな・・・。 最初は悪魔のように思っていた勝沼紳一にすら、憐憫の情を感じてしまうのだから・・・」




「それは頼人様が寛容で優れたお方だという証拠です・・・」





「ふふふ、そう来たか・・・。 全くお前のような人間ばかりなら、世は太平かもしれないな・・・」



「そ、そんな・・・。えへへ・・・♪」












「そんな狭霧を俺はいとおしく思うぞ?」





「え・・・? そ、そんな、勿体無い・・・」









「勿体無いことなど何も無い。お前は確かに光を放っているのだから・・・。 それに、俺は紳一という男のように無理強いもしなければ、嘘も付かない男だ。 少なくとも彼よりはお前のことを分かってやれる。そして愛してやれるはずだ。違うか・・・?」



「い、いえ。相違は御座いません。 頼人様なら誰よりも私を愛して下さると、心よりそう思っております・・・・・」










「まあそちらの方も俺は自信があるから安心して身を委ねるが良い。少なくとも
絶望はするまいよ。 ふふふ・・・」











「も、もう。頼人様ったら・・・♪」

























「全くお前は愛いやつだな・・・。 だからもはや何も言うまい・・・。 だが狭霧よ、最後に一つだけお前の見解に但し書きを加えさせてくれ」









「は、はい・・・」














「『絶望』の勝沼紳一と、狭霧。共に自分だけの光を探し、それを信じ続け、そして見事叶えた・・・・」







「・・・・・・・・・・・」














「だが、両者には一つだけ、決定的な違いがある。 分かるか?」





「いえ、分かりません・・・」
















「それはな狭霧・・・。 己が幸せだけを願った紳一と違い、お前は他人の幸せをも願い続けていたということだよ・・・」











「他人の・・・幸せ・・・・・・・」













「そう、最後までずっとな・・・。それは誰にでも真似出来るものではない、狭霧だけの輝きだ・・・」


















「よ、頼人様・・・。 ありがとう御座います・・・・」





















「だから俺は、絶望のことは忘れても、お前のことだけは決して忘れないであろう・・・」






























「本当の生きた証とは、人を愛する者にしか掴めないものなのだから・・・」























「はい・・・、頼人様・・・」

















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・












・・・・・・・・・・・












・・・・・・・
















鬼畜で通すのも一つの可能性。
それを好む心が存在するのもまた然り・・・。

それに気付いた時、絶望は一瞬の光を放つ価値を持っていたのかもしれません・・・。











さわたり