初心者向け(じゃないかもしれない)模型撮影講座
撮影機材編


デジタルカメラ



まずはデジカメを持っていることが前提です。フィルムカメラでも模型の撮影はできますが、デジカメの使用を是非お勧めします。
ご存じだと思いますが、デジカメは何枚撮っても、いくら失敗しても「タダ」です。数多くシャッターを切って、たくさん失敗すればするほど写真は上手くなります。また、撮ったものをその場ですぐに確認できます。「撮影→確認→学習」のプロセスが即時に行えるのは、技術向上の点で最強です。沢山たくさん、試行錯誤しましょう。
画質や芸術的表現力という点でも、最近のモデルは向上甚だしく、フィルムにほとんど引けを取らないところまで来ています。ものによっては35mmリバーサル(ポジフィルム。画質が良いとされています。)を遙かに凌駕しています。「これから買おう」と思っている人は、是非デジカメにしておきましょう。


三脚


使わない人もいるようですが、ぜひ用意しましょう。ほぼ必須と言っていいです。
室内で、普通の照明下で撮影する場合、最も恐いのは「手ブレ」です。初心者が最も起こしやすい失敗であり、しかも最もやっかいな失敗です。手ブレ写真は、後の画像処理でも直しようがありません。この手ブレは、三脚を使うだけで解決できます。また、ピント・露出・フレーミングetc.を試し撮りしながら一つずつじっくり決めていく際にも、やはりカメラは固定されていた方が楽です。
三脚選びは、ガッチリしているとか、角度等微調整が出来るとか、コンパクトになるとか、こだわり始めると結構キリがないものです。はじめは、そこそこしっかりカメラを固定できて室内で取り回しやすいサイズの、安いもので良いと思います。\3000位からでしょうか。


照明

絶対に必要。必須です。しかし、これも凝り始めるとキリがありません。懐中電灯から白熱灯、蛍光灯、タングステン灯ハロゲン灯、ストロボやらHMIやら、最後は日光まで。光を発するものなら何でも使えますし、それらの値段もピンキリ。もちろんこれらの光源にはそれぞれ特徴があり、時と場合で使い分けられればベストですが、そうそう多種揃えられるものでもないでしょう。
一般的にお勧めは、やはり蛍光灯です。上の写真は可動式のアームを持つ通称Zライト。東芝ネオボール昼光色100Wを付けてあります。(ウチの作業机に常設してるもの。撮影時だけでなく、普通に使うのにもとても便利です。)今時の昼光色タイプのものは、かなり自然な発色をしてくれます。ホワイトバランスも5500Kでいける場合すらあります。(ホワイトバランスについては後述します。)そして出来れば、それを複数用意したいところ。天井にぶら下がってるのや卓上スタンドなど、家中で使えそうなものをかき集めましょう。
尚、金銭的に余裕があり、ライティングを突き詰めたいなら、ストロボがベスト(下写真)。


ただ、上手く使うのはかなり難しいです。蛍光灯などである程度ライティングをおぼえたら、ぜひ挑戦してみましょう。(ちなみに、ライティング編の一章をまるまるストロボに当てる予定。)


レフ板

白・銀色(ときに金色)の板。光を反射(バウンスと言います)させる為に使います。これも必須です。ただ、無理して買う必要はありません。 段ボールやスチレンボードなどを適当な大きさに切って、きれいな白い紙やアルミホイルを貼ればそれでOK。いくつかのサイズで複数つくっておくと便利です。また、レフ板とは効果が違いますが「光を反射させる」ということで、鏡も使えます。


トレーシングペーパー

「ディフューザー」と言います。照明と被写体の間に置いて、光を柔らかく拡散させるために使います。安いものなので用意しておきましょう。トレーシングペーパー以外にも、薄手の白い紙や布、タオルなんかもディフューザーとして使えます。


背景

完成したキットをただ机の上に置いて、パチリとやっても良いんですが、せっかくだから背景にも凝りたいところ。何でも良いですが、普通は画用紙・ケント紙・布、壁紙用のクロスなども使えるでしょうか。
被写体を引き立たせるためには、白や黒、パステルカラーとか、紺色とかセピアとかあまり彩度の高くない(鮮やかじゃない)色で、光沢がないものが一般的に良いでしょう。でも、それにとらわれず、いろいろ試してみるのも面白いかもです。バックを変えると写真の雰囲気がガラッと変わるはずです。


黒ケント

真っ黒で光沢のない紙。まあ、普通はあんまり出番はないかも知れませんが、プロはよく使います。レフ板と全く逆の効果を狙うもので、要するに遮光します。余計な光を当てたくない場合や、白っぽい被写体のサイドを引き締め背景から分離させる、などという場合に使います。光沢のある被写体だと、この黒ケントを意図的に映り込ませて光沢感を強調したりもします。使い方を覚えると1ランク腕が上がるかも。


雲台・ミニ三脚


左が自由雲台。カメラの向きを自由に変えられて、任意の角度で固定できます。特に必要ではありませんが、三脚の上に付けて使うとすごく便利。また、右のようなミニ三脚、カメラを固定するには役不足ですが、こんな風にアタッチメントかましてストロボなどをくっつけて使うことも出来ます。アシスタントのいない(あたりまえ)素人の撮影では、こういう小物類が役立ったりします。


レリーズ・リモコン

カメラを三脚に固定した上で、遠隔操作でシャッターを切ります。三脚とレリーズ(リモコン)があれば、長時間露光でもほぼ100%手ブレを防げます。ただ、コンパクトタイプのデジカメではレリーズを付けられない機種も多いです。もし付けられる機種をお使いなら、手に入れておいても良いかと。