夜明けの情事
(2006/6)


本来の赤を一層の赤に染めながら汗と精液に濡れた体。
深みのある声から搾り出される悲鳴と嬌声と哀願。
快楽に喘ぎながら、それでも頑なに耐えようとする顔。
それらの全てが俺を酷く煽り、昂ぶらせ、
飽きることなく尽きない欲求のまま抱き込んだその体に、
何度も何度も強く楔を打ち込ませる。
夜陰の満ちていた空が薄く明け始めようとしても手放さず、
既に抵抗はおろか動く事もままならなくなってもまだ、
抱きしめて、抱え上げて、縋りつく体を突き上げて、
その口から鳴き声を上げさせ続ける。
もう自分でもそれが何度目になるのかも分からないまま、
熱い白濁を最奥へと注ぎ込むと、
それに反応するかのようにヒクヒクと痙攣しながら強く締め付ける内部に、
射精する快楽をより一層強力なものへと変えられていく。
絶頂の余韻を味わいながら、
密着させていた腰を焦らすようにゆっくりと引き抜いていけば、
突き入れた隙間からコプコプと精液が溢れ、赤い体を更に白く汚していく。
クチュッと濡れた音と共に完全に引き抜いてやると、
ブルリと一際大きく体を震わせ、
頑なに閉じていたまぶたを薄っすらと開け、涙で潤んだ眼を向けてくる。

「…ぅ…あ、あ……クル……」

昨夜から上げさせ続けた嬌声の為に掠れた声。
それが酷く艶かしく、また体の奥にゾクリとした興奮を呼び起こす。

「くっくっ…気持ち良かったかい先輩」

そう言ってまだ目尻に残る涙を舌で舐めとってやる。
薄く閉じられる眼。
そのまま頬を通り、唇を軽く舐め、深く重ねる。

「…ん、んっん……ふ、うっ…んん…」

僅かに身じろぎながら漏れる嫌がるような、求めるような小さな声。
その声を聞きながら、
激情のような欲求にまかせてこのままめちゃめちゃしてやりたいと思うと同時に、
この腕の中にある存在を確かめるようにただ抱き締めていたいなどと、
らしくない思考が巡り、
興奮や昂ぶりと共に、それとは違うゾクゾクとした感覚に占められていく。

「ギロロ先輩…」
「…ク、ル…ル……」

耳元で囁く俺の声に応えながら、
ゆっくりと意識を手放していくその体を抱きしめて、
酷く安堵する自分に苦笑する。
体を、声を、表情を、そしてその目に映る感情までその全てを、
こんなにも求め、手に入れ切る事が出来ず、
そしてそれですらどこか楽しむ自分が居た事など今まであっただろうか。
何よりそんなものは自分のスタイルじゃない。
そんな事を思う反面、
この一瞬が得られるのならそんなものはどうでもいいと思ってしまうほど、
俺はあんたに毒されてる。
その毒は酷く甘やかで、自分を変えられていくと分かっていても、
それでも手放せない。

「…ギロロ先輩」

もう聞こえないその耳にもう一度囁いて自分もゆっくりと目を閉じて行く。
満たされ、満たされない自分の想いごと抱きしめる暖かな体温を感じ、
最後に映るのは赤い体。
薄れていく意識に届くのはあんたの吐息。
その吐息に重なる自分の呼吸に安堵しながら眠りに落ちていく。
滑稽な自分を苦笑しながら。
「結合部」提出絵1(提出時:2006/1)

提出はこのイラストのみでしたが、
収納にあたってプチSSを追加してみました(^^);;

クルルは体力がないくせに、
ギロロを攻める時だけは無駄に精力的だといいと思いますw
>>Art