視線
(2005/9)


「…ふっ、ク…あ、ひぅ!!…あぐぁ!!」

クルルズラボの薄闇の中に、
自分の中から漏れ出る粘着質なクチュクチュとした濡れた音、
そして自分自身の嬌声が響くのを、
どうしようもない羞恥に晒されながら聞き続ける。
そして、それらの音に煽られるように、
体を捕らえ込んだ悦楽に溺れそうになるのを、
下からきつく突き上げられる度に、どうにか逃れるが、
だがそれは、際限なく溺れないというだけで、
その一際強く音が響くほどに奥を抉られるたびに、
堪えようのない強烈な悦楽に声を耐える事が出来ず、
羞恥心をより一層強める結果になるだけだった。
なにより…

「ほら、オッサン。
 ちゃんと自分で足広げてろよ。俺に全部見えるようにな」

最初に突き付けられた条件。
自ら迎え入れて、自ら動き、そしてそれら全てを隠すことなく見せる事。
普段なら絶対にのむはずの条件。
だが承諾するしか今回のギロロには選択肢の余地などなかった。

「はっ…う、く…う、っさい…わか…て、る…」

口ではそう応えたが、
快楽に痺れた頭と体はもう自分の意思通りになど動きはしなかった。

「仕方ねぇな」
「っう、ああぁ!!」

不意に片足を浮かすように大きく広げられて、
その衝撃で中がグチュリと掻き回されて、また声が響く。

「こっちは抑えててやるから、
 そっちだけでも閉じないように自分で抑えてろよ」
「あ…あ…あ、くっう…」
「それから、もっとちゃんと腰振らねぇと、
 いつまでも終らないぜぇ…早く終らせたいんだろ?先輩」

奥歯を噛み締めて、震えて力の抜ける体をどうにか動かすものの、
覚束ない動きは緩慢な刺激を作り出すだけで、
お互いを追い詰める事が出来ない。
それどころか、ただいたずらに疼きを強めていくだけだった。

「!?ッ…ひぐっ!!…あ、がぁっ!!」
「そんなんじゃイケねぇだろ、俺も、オッサンも」

クルルがじれったさげに腕をのばしてきたかと思うと、
そのまま腰を掴んで下から強く揺すぶられる。
容赦のない動きは、体の中を激しく擦り上げ、
腰を引き落とし突き上げる度に奥を抉りながら凌辱し、
燻っていた快楽を増幅させながら、限界へと追い込んでいく。

「ひっ!あっ、あぁ!!…ク…ルル…っ…も…」
「いい、ぜぇ…そのままイっちまえよ、全部…見ててやるからさ」
「あ、あっ…う、あああぁぁっ!!!」

限界だった体にとどめを指すようにして、
熱い欲望の塊を最奥へと強く捻じ込まれ、
ガクガクと激しく体を震わせて絶頂へと達する。
その強烈な衝撃はギロロの内部を占め付けさせ、
快楽を搾り取るようにしてクルル自身もまた絶頂へと導き、
熱い白濁をギロロの中に放たせる。
体の奥に収まり切れなかったものは中から溢れ、混ざり、
ギロロとクルルの体をつたって下へと流れた。


――――――――――――――――――――――――――――――


「ったく、条件の半分も満たせてないんだぜぇ…オッサン」

そう不満げに呟きながら、
意識を手放し横たわるギロロの頬に手をのばして軽く指を滑らす。
その口調とは裏腹な感情を潜めた視線を向けながら。

「まぁ、それなりに努力はしたみてーだし、
 普段とは違う顔も見れたしな、
 今回はぎりぎりチャラって事にしてやるよ。
 大サービスだぜぇセンパイ…く〜っくっくっくっ」

しばらくそうやってギロロの頬に手を触れさせていたが、
ゆっくりと手を引き、ギロロに毛布をかけてやり、ベットから離れると、
静かに部屋を後にした。
そして隣の部屋からキーボードを叩くカタカタという音がし始めると、
まどろむようにしてギロロが薄く目を開けたが、
その瞼はまたスグに閉じられ、眠りの中へと落ちていく。
キーボードの微かな音に包まれながら、
クルルの残り香のする毛布を無意識に手繰り寄せ、丸く身を縮めて、
ほんの僅かに、普段より柔らかな寝顔を見せて。
後には、
ギロロの静かな寝息と、クルルのキーボードを叩く音だけが、
ラボの中に響くだけだった。

クルギロでは初のミニSS付です
本当はSSは、別の話を先に打っていたのですが、
このイラストを描き上げた後、
急に思い付いて一気に書いてみました(^^;)
く…やっぱりまだクルギロ感が掴め切ってないなぁ(苦笑)
まだまだではあるのですが、
自分なりの萌えは詰め込んで見ました!!
ので、ほんのちょっぴりでも気に入った箇所を
見つけてもらえれば嬉しい限り(>×<);;
>>Art